赤ら顔・酒さ・酒さ様皮膚炎
横浜市金沢区 六浦皮ふ科
皮膚科専門医が原因を診断、外用・内服、IPL・レーザー治療、生活指導を組み合わせ治療します。
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赤ら顔(毛細血管拡張・酒さ様皮膚炎など)とは
赤ら顔(酒さ)は、毛細血管の拡張や皮膚の炎症により顔が慢性的に赤く見える状態です。
体質や温度変化、紫外線、ストレス、化粧品などの刺激が重なることで悪化します。頬・鼻・額などに赤みやヒリヒリ感を伴うことが多いです。
赤ら顔の症状
- 「顔の赤みやぶつぶつがある」
- 「顔がひりひりする、ほてる、かゆい」
- 「皮膚の血管が透けて見えるようなところがある」
- 「顔がすぐあかくなる」
- 「どんな化粧品にもすぐかぶれる」
- 「精神的ストレスや緊張、気温、室温の変動で症状が出る」
などが多いです。
赤ら顔の鑑別診断
- 酒さ
(紅斑毛細血管拡張型、丘診膿疱型) - 酒さ様皮膚炎 (ステロイド性酒さ)
- 尋常性ざ瘡 ・ニキビダニ
- アトピー性皮膚炎
- スギ花粉皮膚炎
- 接触皮膚炎
- 光線過敏性皮膚炎
- 膠原病
- 脂漏性皮膚炎
症状が似ていても疾患毎に治療方法が異なるため、皮膚科専門医による適格な診断が求められます。
確定診断なしの治療は、一時的には改善しても、原因はそのままになるため再び悪化します。
酒さとは
酒さとは、顔の中心部に赤みやブツブツが出る慢性皮膚疾患です。
初期は赤みだけですが、進行すると膿をもった丘疹や毛細血管拡張が見られることもあります。
酒さの診断
診断基準の中で、主症状一つ以上と副症状があれば、酒さの確定診断となります。
赤みは顔面中央部の膨らんだ部分(頬、額、眉間、鼻、あごなど)に生じることが多く、初めは一過性でも次第に持続性になってきます。
よく見ると毛細血管拡張を伴っており、ピリピリ感、チクチク、痛痒さを訴えることも多いです。
酒さの症状による分類
最近では米国の症状による酒さの分類が提唱されています。
酒さの発生機序ついてはこちら
- 自然免疫の異常によりTLR2の感受性が亢進し、カセリサイディンという抗菌ペプチドが過剰発現 して、慢性炎症を生じると考えられています。
- 漢方の生薬では、撲そく、荊芥、甘草に強いTLR抑制作用があると報告されています。
酒さの悪化の原因
紫外線、温度変化、ストレス、香料・アルコール入り化粧品、飲酒、辛い食べ物などがあります。
酒さの悪化因子はこちら
- 酒さの悪化因子
日本人患者130人を対象とした調査によると、 - 1位は温度差です。秋冬は温度差で悪化すると訴えられる酒さの患者さんがとても増えます。
- 2位が日光暴露です。春先からGWにかけては、日光での悪化が特徴的で、遮光に努める必要があります。
- 6位にストレスによる悪化があります。
- 7位の花粉ですが、これが結構多いです。血液検査で、花粉症の合併例が多いことが分かっています。
- 日常生活での対策
季節ごとに、酒さの悪化因子を避けることが重要です。 - 春は、スギやカモガヤ、ヒノキなど、
秋は、ヨモギ、ブタクサ、アキノキリンソウなどの花粉が飛散するため、顔が痒くなりやすい季節です。
眼鏡やマスクの着用で、花粉が顔に付着しないよう工夫し、帰宅したらすぐに洗顔や、入浴をして、花粉を洗い流しましょう。 - 夏は、紫外線量が増えると、悪化する場合があります。日焼け止めをしっかり塗り、遮光しましょう。
- 冬は、乾燥や寒暖差で、ひりひりやほてり感が強くなります。
酒さ様皮膚炎とは
酒さ様皮膚炎は、顔にステロイドを長期間使用することによって生じる皮膚炎です。
ステロイドは一時的に炎症は抑えますが、長期使用では皮膚が薄くなり、毛細血管が拡張し炎症が悪化することがあります。
酒さ様皮膚炎の治療として、「ステロイドをやめれば2週間で治るという説」は正しくありません。
ステロイド誘発性の赤み・ヒリヒリは、皮膚のバリアや毛細血管の変化が関わるため、改善には数週間〜数か月かかることが多いです。
主な症状
- 顔(特に頬・口周り・額)の持続的な赤み
- ヒリヒリ感やほてり感
- 細かいブツブツ(丘疹・膿疱)が出る
- 皮膚の乾燥・つっぱり感
- 熱い風呂や紫外線で悪化
症状は、ステロイドをやめた直後に悪化することが多くあります。
診断
診断は、症状の分布・外用歴・改善と悪化の経過などを丁寧に確認して行います。
- ステロイド外用歴
- 赤み・丘疹・血管拡張の分布
- ステロイドを中止した直後の悪化反応
必要に応じて、ダーモスコピーによる血管像の観察や、接触皮膚炎との鑑別を行います。
酒さ様皮膚炎の治療方針
- 自己判断でステロイドを中断しない。
- 減量も医師との相談で行う。
- 補充療法・追加治療の検討。
※状況により治療内容が変わるため、ステロイドの減量経験が豊富な専門医との相談が必須です。
回復期間の目安
| 時期の目安 | 状況 |
|---|---|
| 1〜2週間 | ステロイド中止後に、赤み・ヒリヒリが悪化します。 |
| 3〜6週間 | 炎症が徐々に落ち着いてくる段階です。 |
| 2〜3か月 | 皮膚のバリア回復が期待される時期です。ステロイドの経過によっては更に時間を要します。 |
※個人差が大きく上記は大まかな目安です。
※皮膚が薄くなった重症例ではさらに慎重な治療が必要です。信頼できる専門医と相談しましょう。
すぐ治らない理由
- ステロイドの長期使用によって、皮膚のバリア機能が低下、回復には時間がかかる。
- 毛細血管が拡張し、血管はすぐには戻らないため赤みが残る。
- ステロイド中止直後に、炎症がリバウンドするため、適切な追加治療が必要。
赤ら顔の状態
六浦皮ふ科での診療の流れ
- 診察(専門医が原因を診断)
- 原因により、ガイドラインに準拠した保険診療
- 十分改善しない場合、ご希望によりIPLカウンセリング
- IPL(ルミナス社フォトフェイシャルM22)による施術
- 施術後のスキンケア指導
- 経過観察・再診
六浦皮ふ科の治療
六浦皮ふ科は、日本皮膚科学会ガイドラインに基づく保険医療を基本とし、保険診療だけでは十分に改善しない場合はご希望に応じてIPL光治療等の自由診療を用います。
皮膚科、美容皮膚科、漢方内科の経験を総合的に活かし、症状の程度や肌質に合わせて、以下の治療法を組み合わせます。
- 外用療法: メトロニダゾール外用、抗炎症・保湿外用剤
- 内服療法: 抗炎症薬、漢方など
- IPL(光治療): 赤み・血管拡張を改善(IPL光治療)
- レーザー治療: 毛細血管や酒さ様皮疹に有効(レーザー美容)
- スキンケア指導: 敏感肌向け化粧品、紫外線・温度刺激の対策
六浦皮ふ科での治療の詳細はこちら
- 増悪因子を回避する生活指導
赤ら顔を悪化させる要因として、紫外線、アルコール、香辛料、熱いお風呂などがあります。 日常生活の工夫で症状をコントロールすることが可能です。 当院では一人ひとりに合わせたスキンケア方法をアドバイスしています。 - ロゼックスゲル外用(保険診療)
メトロニダゾールの外用薬が保険適応となりました。
作用機序
・酒さの皮疹部で増加している活性酸素の生成を抑制し、抗炎症作用を発揮する。
・TNF-αの産生や貪食細胞の免疫能を抑制し、抗炎症作用を発揮する。 - アゼライン酸外用(自由診療)
AZAクリア 15g 1930円(税込み)
アゼライン酸は欧米では約30年前から使用されているニキビの外用薬ですが、日本ではまだ保険適応になっていません。
妊娠、授乳中の方でも使用可能であり、ニキビや酒さの赤みに良く効きます。 - 抗菌剤内服(保険診療)
ドキシサイクリン・ミノサイクリンは抗炎症作用を有しているため、酒さに対し有効性が証明されている抗菌薬です。1~3か月程度服用します。 - 漢方薬(保険診療)
漢方専門医として、陰陽虚実、表裏内外の証や、冷え、ほてりの有無を診断し、お一人お一人の体質にあった漢方を処方しております。
・紅斑毛細血管拡張型
黄連解毒湯、桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸加ヨクイニン、梔子柏皮湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、葛根紅花湯、治酒さ鼻一方 などを処方します。
・丘疹膿疱型
清上防風湯、荊芥連翹湯、十味敗毒湯、排膿散及湯、四逆散、葛根紅花湯、桂枝茯苓丸加ヨクイニン などを処方します。 - IPL治療(自由診療)
六浦皮ふ科のIPLはルミナス社フォトフェイシャルM22(IPL光治療)を使用した治療を行っております。
M22の9種類のフィルターのうち、ヘモグロビンの吸光度が高く、赤ら顔、毛細血管拡張症に使用する590nmのフィルターやVascularフィルターを用います。他のフィルターと組み合わせることで、シミや肌質改善への効果も同時に期待できます。
治療オプション
| 治療 | 適応 | 回数目安 | ダウンタイム | メリット |
|---|---|---|---|---|
| メトロニダゾール、アゼライン酸 | 赤み・丘疹 | 数週~数か月 | なし | 安全性が高く初期治療に適する |
| ドキシサイクリン等 | 炎症が強く丘疹・膿疱が多い場合 | 月単位 | なし | 迅速に炎症を抑える効果がある |
| イベルメクチン | 丘疹・膿疱を伴う酒さ | 12週で評価 | なし | 炎症抑制に有効・副作用少 |
| ★IPL | 広範囲の赤み | 3〜5回 | ほぼなし(数日内の赤み) | 顔全体を一度に改善 |
| (PDL→他院へ紹介) | 毛細血管拡張(局所性) | 2〜4回 | 紫斑あり(〜2週) | 毛細血管に対する高い効果 |
| YAGレーザー | 深部の血管・鼻瘤 | 数回 | 軽度赤み | 深い血管病変に有効 |
引用文献2
症例紹介

※治療効果には個人差があります。痛みや副作用がある場合は医師にご相談ください。
関連する診療
料金について
赤ら顔の治療は、まず保険診療をご提案します。
IPLを行う場合は自費診療となりますので、詳細は「IPL光治療」をご確認ください。
赤ら顔治療の担当医
- 花田院長
- 医師診療予定表 で花田院長の勤務日を確認し、ご来院をお願いいたします。
赤ら顔・酒さのトリガー(誘因)チェックリスト
以下の刺激があると、赤みが悪化することがあります。できる範囲で避けるようにしましょう。
- 熱いお湯・サウナ・急な温度変化
- アルコール・辛い食べ物
- 紫外線・日焼け
- 刺激性化粧品・強い摩擦
- ストレス・激しい運動
日常生活でのケア
- 洗顔はぬるま湯で、やさしく行いましょう。
- 保湿剤をしっかり使用し、肌のバリア機能を保ちます。
- 日中はSPF20以上の日焼け止めを使用しましょう。
- 刺激の強い化粧品やスクラブは避けてください。
よくある質問
原因により治療は変わりますか?
はい。例えば、酒さの場合でも、紅斑毛細血管拡張型と丘疹膿疱型では、治療方法が異なるとガイドラインで明記されています。
赤ら顔は保険で治療ができますか?
はい。当院では、まずガイドラインに準じて保険治療を行います。改善状態とご希望に応じてIPLも選択できます。
IPLは赤ら顔に本当に効果がありますか?
IPL光治療は、赤ら顔の原因となる毛細血管拡張や皮膚表面の炎症に光を照射し、赤みを軽減する効果があります。1回で効果を感じられる方も多くいますが、通常は数回の治療で徐々に改善していきます。
IPLは他の皮膚科でも可能ですか?
横浜では、皮膚科専門医でIPLが可能な施設は多くありません。
保険治療とIPLは同じ日にできますか?
保険診療と自由診療を同日にする事は認められておりません。
赤ら顔は治りますか?
体質的な要素もありますが、治療と生活改善で症状を大きく軽減できます。再発を防ぐためには、定期的なケアと刺激を避けることが大切です。
再発することはありますか?
赤ら顔は体質的な要因もあるため、再発することもあります。そのため、治療だけでなく日常生活でのセルフケアが重要です。
治療期間の目安は?
症状により変わるため、診察で具体的スケジュールをご提案しますが、軽症の場合は1~2か月、重症例では数か月~半年程度で改善が見られます。
六浦皮ふ科の美容メニュー
監修:皮膚科専門医 花田美穂
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