粉瘤(ふんりゅう)
横浜市金沢区 六浦皮ふ科
診断と手術方法について
粉瘤とは?
粉瘤の形状
粉瘤は、良性のしこり(腫瘍)で、臭いがする場合があります。
しこりの原因は、皮膚の下にできた袋(嚢腫壁)で、やや盛り上がり数ミリから数センチの半球状の大きさです。
しばしば、中央に黒点状の開口部があります。
粉瘤の内容物
袋(嚢腫壁)の中にあるのは、皮膚のアカとあぶらのため、臭いの原因になります。
どんどんたまっていくと、粉瘤が少しずつ大きくなっていきます。
強く圧迫すると、臭くドロドロした物質が出てきます。
好発部位
身体のどこにでもできますが、顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があります。
誘因
外傷やウイルスの感染が原因とする説が有力です。
細菌の感染が合併すると、炎症性粉瘤と呼ばれ、痛みやほてり感を引き起こします。
手術の適応や希望のない方
炎症をおさえる漢方薬や、感染を伴う場合には抗生剤を処方します。
当院での手術について
強い炎症や臭いを伴う場合は手術が必要ですが、必ずしも大きければ手術という訳ではありません。
タイミングによって手術方法が変わってきますのでお早めにご相談ください。
当院では、以下の2つの切開法で行っています。
【参考】皮膚科QA:日本皮膚科学会①切開排膿(急性期)
- 炎症が強い急性期の痛みと炎症の緩和のための除圧目的の切開です。
- 炎症が強い時期は、嚢腫(袋)の壁が脆くなって破れやすく、周囲の組織と癒着しているため、袋摘出は技術的に困難です。
- 術後3日間ほどは毎日の通院が必要です。
②パンチくり抜き法
- 粉瘤が小さく、露出部にある場合に可能です。
- 痛みがより少ない方法で、3~5 mm切開し内容物をもみだします。
- 炎症を鎮めることが主な目的です。
- 状態によっては、嚢腫(袋)摘出が可能な場合もあります。
- 術後翌日の通院が必要です。
- 傷痕がきれいに治り最終的にはニキビ痕のようなへこみになります。
手術の合併症
- 内出血:7〜10日ほどで自然に治りますので心配はいりません。
- 傷痕:多少残ります。赤みや黒ずみと言ったものは半年程度で消えます。
黒ずみを早く消したい場合は、ハイドロキノンによる治療で早くきれいにする事ができます。 - ケロイド:体質によっては傷がもり上がりますが、ステロイドの外用や注射により治療できます。
- 再発:再発してしまった場合でも、当院でしっかりフォローいたします。
紹介基準
(当院で手術できない方)
- 抗凝固薬、抗血小板薬を内服中の方
- 足の裏の場合
- 内容物が固形化
- 炎症が少ない慢性期
- 袋を完全に摘出する手術:
再発防止のための手術は炎症がしっかり治まった後(一般的に数週間〜数ヶ月後)に二期的に行うのが標準的です。
術後の経過について
通院頻度とフォロー期間の目安
標準的には、約2〜3週間、合計2〜3回の通院が必要となります。
- 処置当日
- 1〜2日後:
【1回目の再診】傷口のチェックと、膿(角質)がしっかり出ているかの確認。 - 1週間後:
【2回目の再診】炎症が引いているか、傷口が塞がり始めているかの確認。
多くの場合、この時点で「自宅での洗浄のみでOK」となります。 - 2〜4週間後:
【最終確認(必要時)】傷口が完全に閉じたかを確認します。
傷がふさがるまでの日数
- 表面がふさがるまで:
通常 1〜2週間程度。 - 内部のしこりが落ち着くまで:
3〜4週間程度。 - 炎症が非常に強かった場合や、粉瘤が大きかった場合は、中が空洞になっているため、完全に平らになるまで1ヶ月以上かかることがあります。
注意が必要な「その後の期間」
切開排膿はあくまで「膿を出して炎症を抑える処置」であり、
粉瘤の袋(嚢腫壁)は残っています。
そのため、以下の点に注意が必要です。
- 根治手術までの待機期間:
袋を完全に取り除く「全摘出手術」を希望する場合は、
切開した傷が治り、周囲の組織の炎症が完全に消えるのを待つ必要があります。一般的には切開から2〜3ヶ月後が手術の適応時期とされます。 - 再発のリスク:
切開のみの場合は、再び中身が溜まり腫れてくる可能性があります。
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